腎臓内科
方針・理念・目的
当院の特色として家庭医療科があり、多くの患者さんの急性・慢性疾患を幅広く診療しています。その中でも検尿異常や保存期慢性腎臓病(CKD)については、腎臓内科と連携しながら診療を行い、また末期腎不全に至ってしまった場合の透析医療も提供しています。検尿異常から末期腎不全まで対応できる「Total Kidney Care」を当院で実現することを目標にしています。
概要・特色
地域の中小規模の病院ですが、入院を含めた腎臓・透析医療を提供しています。また急性期病院での治療後にリハビリテーションなどが必要な腎臓病・透析患者さんの受け入れも行っています。腎臓・透析専門医、看護師、臨床工学技士など多職種で連携しながら、地域によりよい腎臓病医療を提供できるように日々精進しています。
主に取り扱う疾患・治療
・検尿異常(健診等で偶然に見つかった蛋白尿や血尿)
・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群
慢性糸球体腎炎の多くは自覚症状がないため、偶然に健診などで発見される方、放置している方がおられます。放置すると腎機能低下につながる可能性があり、必要に応じて腎生検で確定診断し、適切な治療が必要です。そのためには腎臓専門医の判断が必要です。蛋白尿や血尿(尿潜血)がある場合は、腎臓内科外来を受診してください。かかりつけ医の先生からご紹介をいただくことで、より適切な診断・治療方針が可能となりますので、かかりつけの先生がおられる方は、ぜひ先生とご相談の上で受診してください。現在、当院では腎生検は行っておりませんので、腎生検が必要と判断した場合は、近隣の病院へ紹介させていただきます。
・腎機能低下(血清クレアチニン高値、eGFR低値)
・保存期慢性腎臓病(CKD)
健診や病院の定期検査で腎機能低下を指摘される方がおられます。特に、慢性の経過で腎機能が低下したものをCKDと診断します。CKDの原因を突き止めること、CKD合併症の管理をきちんと行うことで、腎機低下速度を緩やかにできる可能性があります。かかりつけ医の先生がおられる場合は、かかりつけ医の先生と連携しながら、治療を行います。ご希望があれば、入院の上、必要な検査や療養についての指導を行うことも可能です。
・多発性嚢胞腎
腎臓にたくさんの嚢胞(水のたまった袋)ができ、徐々に腎機能が低下する遺伝性の腎臓病です。合併症として、脳動脈瘤や心臓弁膜症、他臓器の嚢胞形成、嚢胞感染・出血などがあります。腎嚢胞が大きくなることで腎機能が低下するため、腎嚢胞の増大を抑制する治療(トルバプタン内服)をすることで腎機能低下速度を緩やかにできる可能性があります。
・腎代替療法
CKDが進行して末期腎不全に至った場合、自身の腎臓に代わる治療、「腎代替療法」が必要です。腎代替療法には、透析療法(腹膜透析、血液透析)と腎移植(生体腎移植、献腎移植)があります。当科では、透析療法・腎移植の長所・短所についてきちんと説明し、腎代替療法について患者さんと一緒に考えています。当院で対応が難しい治療については、近隣の病院へご紹介させていただきます。
・透析療法(血液透析)
当院では、腎代替療法のうち血液透析を行っています。腹膜透析併用の患者さんもおられます。外来・入院どちらの患者さんにも対応しています。維持血液透析を行うために必要な、内シャント造設、経皮的シャント拡張術(VAIVT)などのトラブル対応、カフ型カテーテル留置・抜去なども行っています。詳細は透析室のページをご参照ください。
スタッフ紹介
松井 浩輔【透析部長】
江川 雅博
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本腎臓学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本アフェレシス学会認定血漿交換療法専門医・評議員
日本老年医学会老年科専門医
日本腎代替療法医療専門推進協会腎代替療法指導士
日本笑いヨガ協会笑いヨガリーダー
日本腹膜透析医学会会員
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会会員
日本腎臓リハビリテーション学会会員
日本東洋医学会会員
中国腎不全研究会幹事
日本腎臓病協会会員